マミタスの急死理由は何?獣医視点で見ると肥満や老衰ではない!?

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しょこたんの飼い猫のマミタスがなくなったそうで・・・なんとも残念な話ですね。

なんで亡くなったのか、実は元小動物臨床(犬猫)の獣医師である僕が、色々と考えてみようと思います。

マミタスのプロフィール

・年齢13歳

・メス

・腹部の脱毛あり

・写真を見る限り完全に肥満

・2013年あたりに以前検査したときは異常なし

↑を見ると1週間前は元気そうです。

 

何が原因か?

 

高齢猫によくある疾患

慢性腎不全

これがめちゃくちゃ多いですね。

ただし、徐々に痩せたり、おしっこの量が多くなったりするので気づくことが多いです。

また、慢性腎不全が進行するとご飯を食べられなくなり、水も飲めなくなります。

すると脱水してしまいます。脱水している状態のまま点滴をしないで、ほっておくと1日から数日たつと亡くなります。

しかし、名前の通り、慢性の疾患なので、急死にはなりません。

 

逆に急性腎不全?

特に高齢に多いというわけではありませんが、急性腎不全の特徴としては、おしっこが全く出なくなる無尿状態もしくは、乏尿の状態が見られます(ここでいう急性腎不全は尿閉塞の事ではありません)。

急激に腎臓の数値(BUNやCRE)がびっくりするくらい上昇します。

なので治療はおしっこをどんどんするように点滴をどんどんします。

普通の状態なら、点滴をいっぱいすると、おしっこもいっぱいするのですが、急性腎不全の場合、点滴をしても本当に全然おしっこが出ないのです。

おしっこが出始めるとかなり体調がよくなってくる場合が多いですね。

しかし、この病気も実は急死するかと言われれば、ちょっと違います。

まずごはんが食べれなくなりますので、愛猫家のしょこたんなら確実に気づくと思います。

 

甲状腺機能亢進症

これも高齢の猫さんに非常に多い疾患です。

甲状腺機能亢進症の特徴はよく吐くってのが多いです。他にも食べるけど痩せてくるので、そういった場合は検査しましょうとなります。

しかし、これも慢性疾患なので、急死するということは考えずらいですね。もしかしたら併発していた可能性はありますが、直接の原因ではまずないでしょうね。

 

肥満が原因?

これって、よくわからないですよね。肥満が原因で死亡した人や猫はいません!

肥満によって心筋梗塞が引き起こされたり、脳卒中が起こって亡くなることがあるかもしれませんが、肥満でなくなるというのは実はないのです。

その逆の餓死はありますが、人は500㎏を超えても生きてますからね。

いままで一番太ってた猫でも12㎏くらいでしたね。その子はノルウェージャンみたいな大型種ではない普通の雑種猫でした。

 

尿路系の疾患

実は太ってる猫って、膀胱炎をはじめとする尿路系の疾患になりやすいんですね。

理由の一つとして、体が重いので、トイレに行く回数が減るからだそうです。

人でもおしっこを我慢すると膀胱炎になるよって聞いたことがあると思います。太っている猫はからだが重いので、自然とおしっこを我慢している状態になってしまうのです。

なので、マミタスが膀胱炎になって、万が一結石などができていて、尿閉塞を起こしたら、亡くなる可能性はあります。

でも、尿閉塞を起こすのは圧倒的にオス猫で、メスは本当に見たことが1回2回あるか無いかくらい、珍しいです。

つまり、これも急死はしません。

 

老衰?

これもないですね。

通常、老衰だね、っていうレベルの動物は、筋肉も脂肪もほとんどない状態になっています。肥満で老衰は無いでしょう。

では何か?

突発的なものとしては2点が考えられます。

ひとつは脳神経の発作です。

これであれば、急死することも考えられます。しかし、多くの場合、痙攣をはじめとする症状が出ることが多いので、眠るように亡くなったとありますので、可能性は低いのかなと思います。

 

もうひとつは心発作です。

猫さんに多い心疾患に肥大型心筋症があります。

2013年に検査したとのことなので、どんな検査であれ、聴診はしていると思います。

聴診すれば心雑音が聞き取れることが多いのですが、以前の検査では異常なしとのことでした。

しかし、4年もたっているのと、心筋症でも雑音がないことがあるので、否定はできません。

というよりも、ネコの肥大型心筋症は確定診断を下すのが難しい病気なんですね。

一番良い検査が心臓のエコー検査なのですが、明らかなものを除いては、おそらく肥大型心筋症でしょうとしか言いようがないものが多いのです。

実際に剖検(死体を解剖)しないと確定診断をつけられないものがほとんどです。

なので、肥大型心筋症の可能性は十分にあるのかなと。

 

他にも心筋症ではなく心発作が起こった可能性があります。

簡単に言うと不整脈です。

不整脈があるかないかは通常の心電計の検査では検出できないものがほとんどです。

不整脈の診断を本気でしようと思えば、ホルター心電計という特殊な心電計を24時間つけていなければいけません。

心臓の専門的な動物病院だったらするかもしれませんが、通常一般の動物病院にはまずその心電計はありません。

なので、健康診断を受けて、異常なしと言われても、不整脈がないわけではないので可能性が残ります。

 

 

まとめ

動物病院にかかってきた電話で、「さっきまでにゃーにゃ―元気だったのに、急に椅子から落ちて動かなくなってしまった!どうすればいいですか?」と電話がかかってきたことがありました。

すぐ来院するように言って、来てもらいましたが、既に猫さんはなくなっていたという経験を過去にしたことがあります。

その時のことを今回のマミタスの残念なニュースを聞いて思い出しました。

飼い主さんは訳が分からず、状況をどう受け止めていいのかよくわからずにおろおろしていたことを思い出します。

おそらくしょこたんもそうだったんだろうなと思います。そして自分の中でそれを現実のものとして受け止めるまでに少し時間がかかったのでしょうね。

何とも言えない気持ちになりますが、マミタスをしっかりと見送ってほしいですね。

 

 

 

 

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